仕事のやりがい

Vol.024
2016.12
介護士
勤続年数: 5年

職員全員が「その人らしい生活を<br>サポートしたい」という気持ちでいること

H.T様は、お医者様として河津で勤められていました。居室担当として日頃お話を伺っている中で、仕事帰りによく寄っていた小料理屋の事が出て来て、懐かしんでいらっしゃったので、いつかお連れしたいと思っていました。心機能が低下して横になる時間が増え、食事も殆ど残されるようになり、ナースから「今のタイミングを逃したら、もう外出は難しい」と背中を押してもらい、その小料理屋に連絡をとり、外出届を出しました。

道中は少し緊張されていましたが、到着してお店の方がお出迎えをすると、満面の笑顔になっていました。お店の方はH.T様の事を覚えていて、よく召し上がっていた好みの料理を食べやすいように細かくしてくれました。食が細くなっていたH.T様が、驚くほど召し上がり、お店の方たちと昔話に花を咲かせて、若い頃に一緒にタイムスリップしたかと思えるほどでした。帰り際に、「また、いらして下さいね」と声をかけられると、「分からないな」と笑いながら答えていらっしゃいました。それが本当に最期の外食となりました。ご逝去は悔しいですが、一瞬でも若い頃の輝きに戻ったH.T様と一緒の時間を過ごせた事は、介護職として忘れられない思い出になると思います。

ライフでは、最後までその方らしい生活をサポートしたいという気持ちを、皆が理解して、「頑張って、行っておいで」と背中を押してくれます。今後もご入居者に寄り添い、その方らしい生活をサポートしていきたいと思います。